太陽よりも
太陽が眩しく輝き、暑さを倍増させ、人を苛立たせる。
予定が無く、自宅にいる高杉も暑さに苛立ちながら寝転がる。
ただ、彼の苛立ちは暑さだけではない。
前日に恋人と喧嘩をしたことが原因にある。
喧嘩と言うよりは自分が一方的に怒りそれ以上の話を拒否しただけであり、悪いのは自分だということもわかっているのだが
高杉の性格上謝ることが出来ず、そんな自分に苛立ちが増している。
「くそ・・・っ」
素直になれない自分と女々しい思考に悪態をついたそのとき
ピンポーン
来客を知らせる音が部屋に響く。
今は誰にも会いたくないと、高杉は来客を無視することに決めた。
ピンポーン
「・・・」
ピンポンピンポーン
「・・・・・・」
ピンポンピンポンピンポーン
「あぁぁぁぁっ!うるせぇっ!」
苛立ったままドアを開けると来客が外からドアを引いたらしく高杉はバランスを崩す。
「うわ・・・っ!?」
転びそうになった瞬間来客によって支えられる。高杉が自分を支えている人物を見上げると今1番会いたくない黒髪の男が目に映った。
「お前なぁ・・・誰が来たか確認してから開けろよ。強盗とかだったらどうすんだ?」
「・・・んなもん来ねぇよ。それより何しにきたんだよ?大会あるって言ってたじゃねぇか」
高杉は自分を支えている恋人、土方の手を払いながら言う。
土方の部活の剣道の試合がこの2人の喧嘩の原因だ。
今日8月10日、高杉の誕生日に試合が重なり一緒に過ごせないことに高杉は納得がいかなかったらしい。
「大会?終わらせてきた」
「負けたのか」
「違ぇよ。1試合だけ勝ってあとの試合任せて抜けてきた」
「・・・副将が何してやがる」
「今日は先鋒だ」
「・・・何で」
「その方が早く終わってお前に会いに行けるだろ?」
「馬鹿か・・・」
「拗ねてたくせに」
「・・・拗ねてねぇ」
「はいはい」
そう言って土方は高杉の頭を撫でる。
先程は支えられた手を振り払った高杉も機嫌が直ったのか大人しく撫でられる。
「あ・・・そうだ」
「ん?」
土方は思い出したようにポケットを漁り、何かを握り締めた形で手を出した。
「手出せ」
そう言われた高杉は素直に手を出す。
土方の手が開き高杉の手に落ちたものは銀色に光る鍵。
高杉はしばらくそれを見つめた後土方を見上げる。
「俺の家の合鍵。これでいつでも来れるだろ?」
微笑む土方に高杉は抱きつく。
「これから一緒にちゃんとしたプレゼント買いに行こうぜ?」
高杉を抱き締め返しながら土方は言う。
「要らない。これだけで良い」
「良いのか?」
「おう。その代わりお前の家行こうぜ。これ使いてぇ」
「わかった」
2人は真夏の太陽の下を歩く。
高杉の右手は土方の左手としっかり繋がり、高杉の左手には太陽よりもキラキラと輝く鍵が握られている。
喧嘩も暑さも、もうどうでも良い。
大好きな人といるだけで全部忘れさせてくれるから。
END
高杉おめでとうっ!
2度目のお祝いがこのサイトで出来て嬉しいです。
・・・相変わらずの駄文ですが・・・。
読んで下さりありがとうございました。